結論:16時間断食が続かないのは、意志が弱いからではなく「続く設計」を作っていないからです。続かない原因は5つのタイプに分かれ、それぞれに具体的な対策があります。
「16時間断食、何度かやってみたけど続かない」——そう検索してこのページにたどり着いた人は多いと思います。そして、たいていの人はこう考えます。「自分は意志が弱いんだ」と。
でも、断言します。続かないのは、意志のせいではありません。
私自身、営業の仕事をしながら何年も16時間断食を続けてきました。朝抜き・昼抜き・夜抜き、ひと通り全部試して、失敗もたくさんしました。その経験から言えるのは、続く・続かないを分けているのは「気合い」ではなく「設計」だということです。
この記事では、16時間断食が続かない5つの理由をタイプ別に整理し、それぞれの具体的な続け方を、実体験を交えて紹介します。
16時間断食とは、1日のうち食べない時間を連続16時間つくり、残りの8時間以内で食事を済ませる食事法です。「プチ断食」「リーンゲインズ」とも呼ばれ、何時から何時までを食事時間にするかは自分の生活に合わせて決められます。
「続かない」のは意志のせいじゃない
そもそも、なぜ続かないのか。突き詰めるとシンプルで、「お腹が減ったから、食べたい。だから食べてしまう」。これがほとんどの人の”やれない理由”です。意志が弱いからではなく、空腹という生理現象に対して、我慢する「理由」も「仕組み」も用意していないだけなんです。
人は、我慢する理由があって初めて我慢できます。自分の中にルールがまったくないと、ただ「お腹減った→食べる」になる。逆に言えば、ルールと仕組みさえ作れば、意志に頼らなくても続けられるということです。
ちなみに、断続的断食って方式を問わず体重や代謝指標に効果が出るというデータがあって(BMJ 2025)、「毎日完璧にやらないと意味がない」わけじゃないんです。まずこの前提を持つだけで、ぐっと続けやすくなります。
16時間断食が続かないのはなぜ?5つの理由【あなたはどのタイプ?】
続かない理由は、だいたい次の5つに分かれます。自分がどれか、チェックしてみてください。
① 空腹がつらくて挫折する
一番多いのがこれ。特に始めたての頃は、空腹が本当につらい。私も朝8時頃に夕食を終えるサイクルだったので、翌朝8〜9時くらいに「グーッ」という強烈な空腹が毎日のように来ていました。
ただ、空腹って「ずっと続く」わけじゃないんですよね。波で来て、必ず一度引く。 数時間おきのリズムで来ては引く——これ感覚だけじゃなくて研究でも確認されていて(Physiol Behav 2013)、知っておくだけで耐えやすくなります。今つらくても、しばらくしたら引きます。
② 食事の時間がバラついて16時間が安定しない
「昨日は20時に夕食、今日は仕事で23時…」と食事の時間がバラつくと、16時間がうまく回りません。私も営業のアポイントがずれて、食べるタイミングが乱れることはちょこちょこあります。
ただ私の場合、「20時に食べて、翌日のお昼に食べる」という型をひとつ決めているので、多少ずれても守れることが多い。逆に言えば、型が決まっていない人ほど続かないのです。
③ 効果が見えずモチベが切れる
体重も体調も、すぐには変わりません。「やってる意味あるのかな」と効果が見えないと、人はモチベーションが切れます。ここが、後で紹介する「記録=見える化」が効いてくるポイントです。
④ 付き合い・外食でリズムが崩れる
これは社会人、特に営業職には避けられません。お客さんとの会食、会社の人との飲み。私もしょっちゅうリズムを崩されます。
おもしろいのは、私の場合「時間がずれる」というより「食べるものが安定しない」という形でずれていたこと。昼に食べるのは元々ちょうどいいタイミングなので。ただ、一時期”昼抜き断食”をやっていた頃は、お客さんや会社の人の誘いを断りにくくて、つい食べてしまう、ということがよくありました。
⑤ そもそも「続いているか」を把握できていない
意外と見落とされがちなのがこれ。自分が続けられているのかどうか、把握できていないパターンです。
いきなり「毎日断食しろ」と言われても、できない人のほうが多い。世の中、1日3食が当たり前ですから、1食減らすことすら最初はハードルが高い。だからこそ、何かしらで記録して、続いているかを”見える”ようにすることが大事なんです。
続けるための具体策【タイプ別】
理由が分かったら、対策です。私が実際にやってきたことを中心に紹介します。
空腹対策:まず「水」、そしてナッツ
空腹対策で一番やっていたのは、とにかく水をガブガブ飲むこと。胃に何か入ると、人間ある程度は我慢できます。腹が減って仕方ないときは、まず水。コーヒー(ブラック)もよく飲んでいました。
それでも厳しいときはナッツ。『「空腹」こそ最強のクスリ』でもナッツはOKとされていたので、私の中でも”食べていいもの”として活用していました。ポイントは量。片手に握れるくらいの量を持っていって、午前と午後に分けて少しずつ。完食しないように、です。
※水・コーヒー以外(無調整豆乳など)でタンパク質を補う方法もありますが、それは厳密には「断食」ではありません。体重を落としたくない人向けの調整なので、目的に応じて。
生活リズムに合う時間設定:私は「朝抜き」が一番続いた
朝抜き・昼抜き・夜抜き、私は全部やりました。結論から言うと、朝抜きが一番自分に合っていました。
- 朝抜き:寝て、起きて、お昼まで我慢すればいい。定着まで時間はかかったけど、最終的にこれに落ち着いた。
- 昼抜き:日中、頭をフル回転させなきゃいけない時間に抜くのは、私にはつらかった。
- 夜抜き:これが一番ダメだった。夜、空腹で眠れない。 10時過ぎに布団に入っても、12時・1時・2時まで寝つけない。翌朝5時起きには響きました。
会社員という生活リズムもあって、私には朝抜きがベストでした。あなたに合う型は違うかもしれません。いくつか試して、続けられる型を見つけるのが正解です。
食事を早い時間帯に集中させると代謝指標が改善しやすいというデータもあって(Cell Metab 2018)、朝抜きで昼〜夕に食べる型はわりと理に適ってる。ただ最優先は「続けられること」。夜抜きで眠れないならカフェインも疑ってみてください——夜のカフェインは睡眠の質を下げるのが確認されていて(Sleep 2025)、空腹との合わせ技で余計眠れなくなります。
見える化で続ける:記録の習慣化
ここが個人的に一番効いたところです。記録を残さなきゃ、と思うことで、自分を制御できる。
私はスケジュール帳に、その日やったことリストを細かく書いていて、日付の横に小さな丸や星のサインを付けていました。そのサインが付いている日は「断食をやり抜いた」「ナッツだけで我慢できた」という証。振り返ると、できた日が”見える”んです。
手帳でこまめに振り返れる人はそれでいい。でも今はスマホの時代です。断食を記録・管理できるアプリがあれば、この”見える化”がもっと簡単になります。私はこれを助ける断食タイマーアプリ「16h danjiki」を開発しました(iPhone向け・ojicare)。
おまけ:空腹を「行動のトリガー」にする
空腹を紛らわすコツとして、お腹が減ったら別の行動をするのも有効です。「お腹が減ったら腹筋」「体を動かす」でもいい。
私は朝のルーティンを仕組み化しています。たとえば、ヘアアイロンが160度に温まるまでの約1分。この”待ち時間”を使って、必ず寝室のベッド・シーツ・枕・カーテンを整える。「アイロンが温まる→布団を整える」と紐づけておくと、意志ゼロでも体が動きます。空腹も、こういう仕組みの中に置いてしまうのがコツです。
完璧主義をやめる:その日だけ時間をずらす
「週5、6でやってると、1日だけやらないのが気持ち悪い」——私にもこの完璧主義がありました。でも、接待で夜中まで飲んで、2次会・3次会、締めのラーメン…という日は社会人なら必ずある。断れないこともある。
そういう日は、スタート時間が8時ではなく12時、下手すると1時・2時になります。だったら、次の日は朝も昼も抜いて調整すればいい。 「同じ時間に・同じ周期で・同じだけ」やろうとするから折れるんです。
何時に食べたから何時まで断食、というのを見える化して、自分の都合でずらす。これができると、付き合いがあっても続きます。
そもそも断続的断食って、毎日完璧じゃなくても効果は出るというデータがある(BMJ 2025)。1日崩れても、週単位で取り返せばいい。
続かない時にやってはいけないNG(ドカ食い・リバウンド)
正直に言うと、私も気をつけているのがこれです。昼はサラダチキンと味噌汁くらいなので、油断すると夜が食べ過ぎ気味(ドカ食い)になりがち。
対策として、お腹が減りすぎてヤバいときほど、いきなり夕飯をドカーンといかない。 ほぼ毎回、サラダやナッツからスタートして、徐々に上げていきます。白米も抜いている。空腹からの急なドカ食いは、リバウンドの最短ルートです。
これは体感的にも理由があって、長く断食しているとたまにエネルギーが切れる瞬間があります。切れる1〜2時間前になんとなく分かるんですが、いったん切れると復活にすごく時間がかかる。しかも、そこで血糖を急に上げるジュースや甘いものを入れるのは逆効果。ナッツ・バナナ・サラダなど、ゆるやかに戻すもので立て直すのがコツです。
ストイックになりすぎず、心の余裕を持つこと。これは断食を続けるうえで本当に大事です。
まとめ:続けるコツは「気合い」ではなく「設計」
気合いだけでやっていると、エネルギーが切れた瞬間に終わります。本当に、思考停止して何もできなくなる。
だから、設計です。
- いつ始めて、いつ終わるのか(私は20時→翌日昼)
- 目標はどこに置くか
- 週に何回やるのか
この目標値を最初に掲げてスタートする。そして記録で見える化し、崩れた日は自分の都合で時間をずらす。完璧主義は捨てる。——これが、意志に頼らず続けるための”設計図”です。
よくある質問
Q. 何日くらいで慣れますか?
A. 私の場合、2〜3週間で習慣化し始めました。始めた頃は朝8〜9時の空腹が本当につらく、ナッツが必須でした。でも続けるうちに、体が「昼と夜でしかエネルギーが入ってこない」と覚えて、朝の空腹が気にならなくなります。1週間ではまだ慣れきらない、というのが体感です。
Q. 毎日やるべき?週末だけでもいい?
A. 週数回でも効果は出るというデータがあります(BMJ 2025)。ただ私の体験では、間を空けるとリセットがつらい。風邪などで3〜5日やめて朝食を食べた後、再開する時がいちばんキツい。1日朝を食べただけでも元に戻りやすいので、慣れてきたら、むしろ毎日続けるほうが結果的にラクだと感じています。
Q. 断食中、空腹がつらいときは何を口にしていい?
A. まずは水をしっかり飲んでください。胃に何か入ると、ある程度は落ち着きます。ブラックコーヒーもOK。それでも厳しいときは、ナッツを片手に握れる量だけ。午前と午後に分けて少しずつ食べ、完食しないのがコツです。
Q. 飲み会や外食で崩れた日はどうすればいい?
A. その日は割り切って、翌日の開始時間を自分の都合でずらせばOKです。夜中まで飲んだ日は、翌日の朝と昼を抜いて調整する。断食は1日単位ではなく週単位で考えれば取り返せます(BMJ 2025)。
✍️ この記事を書いた人
断食サラリーマンKEN(OJC/ojicare)— 営業職の会社員。38歳でプチ断食を始め、16時間断食を5年続ける実践者。朝抜き型(20時→翌日昼)で定着。会食・接待の多い生活の中で「無理なく続ける工夫」を試し続けている。
※ペンネーム+実体験で運営。医療に踏み込む内容は別途、医師・管理栄養士の監修を付ける方針。
⚠️ 注意・免責
- 妊娠中・授乳中、持病で治療中の方、成長期の方、過去に摂食障害のある方は、自己判断で断食をしないでください。実施前に医師に相談を。
- 本記事は個人の体験と一般的な情報提供であり、医療上の助言ではありません。
- 体調不良(強い頭痛・ふらつき等)が出たら中止してください。
📚 参考文献(出典:PubMed / DOIリンク必須)
- 断続的断食と心血管代謝リスク(ネットワークメタ解析). BMJ. 2025. DOI
→ 複数のRCTを統合した最新の大規模メタ解析。断続的断食は方式を問わず体重・血圧・血糖値などの代謝指標を改善しうると報告。方式間の差は限定的という結果が、「毎日完璧にやらなくていい」「週数回でも意味がある」 の科学的根拠。 - 空腹感の概日・ウルトラディアン成分. Physiol Behav. 2013. DOI
→ 空腹感には体内時計に連動した1日の波(概日リズム)と、数時間周期で繰り返す波(ウルトラディアンリズム)の両方があると示した研究。「空腹は波で来て、必ず一度引く」という体験を裏づけるデータ。我慢が一時的でいいと分かれば続けやすい。 - 早い時間帯の時間制限食と代謝. Cell Metab. 2018. DOI
→ 糖尿病予備軍の男性を対象に、食事を早い時間帯に集中させた場合(夕食を早める=夜抜き寄り)のインスリン感受性・血圧・酸化ストレスの変化を測定したRCT。体重が変わらなくても代謝指標が改善。「朝抜き型でも夕食が早ければ効果が出る」 根拠に使える。 - カフェインの用量・タイミングと睡眠(RCT). Sleep. 2025. DOI
→ カフェイン100mgは就寝4時間前まで影響が小さいが、400mgは就寝12時間前でも睡眠の質を低下させると報告したRCT。夜抜きで眠れない人がコーヒーを夜に飲んでいる場合に、「夜のカフェインは就寝4時間前が門限」 のエビデンスとして引用。


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